Ⅰ 症状の現れ方による分類
→単極うつ病:うつ病相のみ出現する(不安・憂うつ感、集中力低下、興味関心の低下など)
→双極性うつ病:うつ病相と躁病相両方がある(うつ状態の後ハイテンションな時期がある)
→ラピッドサイクラー型うつ病:双極性障害の中でも最重症とされている。急速交代型、またはラピッドサイクラーと呼ばれている。躁とうつの状態変化のサイクルが速いタイプ。1年に4回以上の病相を繰り返す状態と定義されている。 男性より女性に多く、重症になるケースが多い。外来診療でなく、入院治療が必要。
※通常 診察でうつ状態と診断をされても、そのうつ状態の根元の疾患は様々なものがあります。
うつ状態の根元の疾患として→単極のうつ状態・双極のうつ状態・適応障害からのうつ状態・発達障害からのうつ状態・統合失調症からのうつ状態・器質性脳障害からくるうつ状態・認知症からのうつ状態・人格障害からのうつ状態・神経症がベースのうつ状態 などなど
専門医でも単極のうつ状態と思っていても、2~3年後にやっとそれが双極のうつ状態だったということが判明することもよくあることです。 患者さん自身 躁状態を病的な状態と認識してないことが多く、それを主治医に申告してなかったり、質問されても調子いいので 問診の中で判明されないでいることが多いのです。
★★双極性障害(躁うつ病)を疑うポイント★★
過眠・過食・不安(あるいは不安障害の合併)、気分変動性、精神病症状、自殺念慮などは単極うつ病より双極性障害(躁うつ病)に見られることが多い。
発症年齢が若い人、うつ病エピソードの再発が多いこと、うつ病の罹患期間が長いこと、症状の急な悪化や急な改善、繰り返す転職、繰り返す離婚などは 単極うつ病より双極性障害(躁うつ病)に生じやすい。
抗うつ薬をキチント適切な量を2~3ヶ月服用しても症状が改善してこない、逆にお薬を服用することでソワソワ感や易怒性(怒りっぽくなる)、散財(買い物が派手になる)、SNSの頻度が極端に増えるなどの傾向がある方は双極性障害(躁うつ病)の可能性があります。
Ⅱ 重症度による分類
→軽症 中等症 重症(精神病症状を伴うもの、伴わないもの) の分類を診断基準(ICD-10)から
軽症うつ病エピソード (Mild depressive episode)
抑うつ気分、興味と喜びの喪失、および易疲労性が通常うつ病にとって最も典型的な症状とみなされており、これらのうちの少なくとも2つ、さらにうつ病エピソードに記載された他の症状のうちの少なくとも2つが、診断を確定するために存在しなければならない。いかなる症状も著しい程度であってはならず、エピソード全体の最小の持続期間は約2週間である。 軽症うつ病エピソードの患者は、通常、症状に悩まされて日常の仕事や社会的活動を続けるのにいくぶん困難を感じるが、完全に機能できなくなるまでのことはない。
(オランダの研究でうつ病に効果があったセルフケア方法について次の3つが有効だっと言われています)
1:前向きな態度をとる
いつ会社に復帰できるかなど遠い将来のことではなく、「明日は散歩に行こう」など明日のことを考える。また、楽しかったことなどポジティブな記憶を意識して思い出す。
2:生活リズムを整える
毎日決まった時間に起きる、同じ時間に家を出るなど
3:より積極的な行動をする
余力がある場合、外に出て散歩やウォーキングなどの有酸素運動をするなど(オーバーワークにならない程度に)
軽症のうつは上記3点を意識すれば抗うつ薬を使用せずに治ることもあると述べられています。
中等症うつ病エピソード (Moderate depressive episode)
上記の軽症うつ病エピソードに上げたもっとも典型的な3症状のうち少なくとも2つ、さらに他の症状のうち少なくとも3つ(4つが望ましい)が存在しなければならない。いくつかの症状は著しい程度にまでなる傾向を持つが、もし全体的で広汎な症状が存在するならば、このことは必要事項ではない。エピソード全体の最小の持続期間は約2週間である。 中等症うつ病エピソードの患者は、通常社会的、職業的あるいは家庭的な活動を続けていくのがかなり困難になるであろう。
精神病症状をともなわない重症うつ病エピソード (Severe depressive episode without psychotic symptoms)
重症うつ病エピソードでは、制止が顕著でなければ、患者は通常かなりの苦悩と激越を示す。自尊心の喪失や無価値観や罪責感をもちやすく、特に重症な症例では際立って自殺の危険が大きい。重症うつ病エピソードでは身体症状はほとんど常に存在すると推定される。 軽症および中等症うつ病エピソードについて述べた典型的な3症状のすべて、さらに少なくとも他の症状のうちの4つ、そのうちのいくつかが重症でなければならない。しかしながら、もし激越や精神運動制止などの重要な症状が顕著であれば、患者は多くの症状を詳細に述べることをすすんでしようとしないか、あるいはできないかもしれない。このような場合でも全体的に、重症エピソードとするのが妥当であろう。うつ病エピソードは通常、少なくとも約2週間持続しなければならないが、もし症状が極めて重く急激な発症であれば、2週間未満でもこの診断をつけてよい。 重症うつ病エピソードの期間中、患者はごく限られた範囲のものを除いて、社会的、職業的あるいは家庭的な活動を続けることがほとんどできない。
精神症状をともなう重症うつ病エピソード(Severe depressive episode with psychotic symptoms)
上記の診断基準(精神症状をともなわない重症うつ病エピソード)を満たす重症うつ病エピソードであり、妄想、幻覚あるいはうつ病性昏迷が存在する。妄想は通常、罪業、貧困、切迫した災難、患者が引き受けた責任に関するものである。幻聴や幻臭は通常、中傷や非難の声、腐った汚物や腐敗した肉の臭いのようなものである。重い精神運動制止は混迷にいたることがある。もし必要ならば、幻想や幻覚が気分に一致するかどうかを特定することができる。
Ⅲ 初発か再発か(頻度 )による分類
初発のうつ 反復性うつ 持続性うつ 遷延性うつ
→一般的には初回のうつ病相は治りが良い場合が多い、繰り返すうつ病は段々治りが悪くなる(抗うつ薬の反応しにくくなる) 不安障害が先発するうつ病相は治りが悪い。
Ⅳ 精神症状が有意、身体症状有意の違い
神症状優位→通常のうつ 身体症状優位のうつ→アレキサイミアうつ 否認型うつ 微笑みうつなどと呼ばれることがある
Ⅴ 特徴的な病型による分類
季節性うつ病・産後うつ病・非定型うつ病・メランコリー型うつ病など
以下 工事中 👷👷👷
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