私たちが普段「ニキビ」と呼んでいる症状は、
実は尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)という皮膚の病気の一種です。
顔や胸、背中などによくできる赤いプツプツは、
皮脂や古くなった角質などが毛穴に詰まり、中で炎症を起こした状態です。
ニキビのできる原因は主に以下3点などが挙げられます。
1.過剰な皮脂の分泌
2.毛穴の出口が角化して詰まる
3.ニキビ菌の繁殖
1.毛穴の詰まり
ニキビは、皮膚表面に目立ってからではなく、実は肌の奥でじわじわと出来はじめています。
「過剰な皮脂」「毛穴の詰まり」「アクネ菌の繁殖」といった条件が揃うと、
ニキビは発症しやすくなります。
様々な原因により、過剰に分泌された皮脂や古い角質などで毛穴が詰まると、
本来出ていくはずの皮脂が中に閉じ込められ、どんどん溜まっていきます。
そうなると、皮脂を栄養とするアクネ菌や細菌などの温床になり、
ニキビの初期段階である白ニキビができてきます。
早めにケアする事がニキビの炎症や進行を防ぎます。
2.ニキビの進行
毛穴周りの角質が厚くなり、毛穴に皮脂が詰まりやすい状態になると、
毛穴の詰まりが進み、コメド(面皰めんぽう)ができます。
▶ 黒くボツボツしたコメドが見える状態が「黒ニキビ」
▶ 毛穴が閉じて白く見えるのが「白ニキビ」です。
▶ 詰まった皮脂を栄養にしてアクネ菌や細菌が繁殖し炎症が起こると「赤ニキビ」となります。
「そのうち治る」と思っているうちにどんどん進行していくニキビ。
肌へ負担をかける前に、すみやかに適切なお手入れが必要です。
3.ターンオーバー
① 1番下の基底細胞で作られた新しい皮膚がどんどん押し上げられて表面へ。
② 古くなった角質ははがれ落ちて、新しい皮膚と交代します。
このように、肌は一定のサイクルで生まれ変わりを繰り返しています。
このサイクルがきちんと保たれなくなると、ニキビができやすい状態に。
本来はがれ落ちるはずの古い角質が肌表面に残ったままで、
毛穴を詰まらせてしまいます。
20代で約28日とされるターンオーバーは、年齢を重ねるほど長くなります。
”大人ニキビ”は治りにくく跡が残りやすいのは、肌の生まれ変わりが遅くなっているから。
ターンオーバーを整えるには、スキンケアだけでなく、
ビタミン摂取など内側からのサポートが必要です
4.ニキビと皮脂の関係
潤いを守ってくれている「皮脂」 問題なのは、”過剰な分泌”です
ニキビができる原因だからとマイナスな印象を持たれがちな「皮脂」
実は、皮脂はみずみずしく美しい肌に欠かせない重要成分でもあります。
しかし、皮脂が過剰に分泌されたり、毛穴に溜まったりすると、
元々肌に存在するアクネ菌の栄養となり、ニキビができてしまいます。
重要なのは、皮脂のバランス。
そして毛穴に詰まらせないこと。
皮脂の働きを知ることがニキビ予防と美肌の秘訣です。
5.アクネ菌
もともと肌に存在している「アクネ菌」、実は善玉菌でもあります。
別名「ニキビ菌」と呼ばれることもあるアクネ菌はもともと肌に存在し、
私たちに必要な善玉菌のひとつでもあります。
皮脂と同じく、毛穴が詰まることで繁殖してニキビをつくってしまうのです。
トラブルのない肌を守るには毛穴の詰まりを原因から予防し、
アクネ菌を増やさないこともポイントです。
6.ニキビ跡
炎症を起こしたニキビは、膿が外に出るか、また中で吸収されてやっと治まります。
しかし、ひどくなった後鎮まっても、陥没したような跡 や シミ等の色素沈着となって
残る場合も少なくありません。
できるだけ残さないためにも、早めのお手入れをしましょう!
無理につぶしたり、紫外線などの刺激も避けてください
1.栄養バランス
肌のトラブル=栄養バランスの乱れ とも言えます。
脂っこい食事やインスタント食品、お菓子などの食べ過ぎは、
ニキビにも深く関係しています。
脂質や糖質を摂取すると、健康な肌を保つビタミンB群がその代謝の為に消費され、
不足すると、皮脂の分泌をコントロールする機能が乱れてしまい、
肌が脂っぽくなり、ニキビの原因となります。
2.乾燥
思春期ニキビ(主に10代)の大きな原因は、過剰に分泌された皮脂。
しかし、大人ニキビ(20歳~)は、乾燥した肌にできやすくなります。
肌の表面が乾燥すると、皮膚が潤いを保とうとたくさんの皮脂を出すように働きます。
そうすると過剰に皮脂が分泌され、ニキビの原因になります。
3.睡眠不足
皮膚は眠っている間に肌のダメージを修復し新しい皮膚をつくっています。
寝不足が続くとその修復がうまくいかず、ターンオーバーにも影響し、
古い角質が残ったままとなり、ニキビの原因になります。
4.ホルモンバランス
私たちは、性別に関係なく体内に女性ホルモン・男性ホルモンの両方を持っています。
男性ホルモンの中には”皮脂の分泌を促す働き”があり、これが生理前は活発になります。
そして思春期ニキビができやすいのは、成長期でホルモンバランスが崩れやすいため。
生理の前にできやすいニキビ・思春期ニキビは、こういったホルモンバランスが
影響しています。
ストレスや食事などで乱れやすいホルモンバランス。
生活習慣を意識的に整えることが大切です。
5.冷え
からだが冷えるのは、体内の血の巡りが滞り、代謝が低下しているからです。
冷えが続くと肌が乾燥し、ホルモンバランスも乱れやすくなります。
結果、肌荒れやニキビの原因に。
暑い日でも強すぎる冷房や薄着、また、血行不良の原因となるタバコは、
肌の為にも考えましょう。
6.紫外線
敏感な肌は、紫外線によるダメージをより強く感じてしまいます。
更に、皮脂は紫外線を浴びることでコメド(面皰)になりやすい為、
毛穴が詰まりやすくなります。
また、アクネ菌が分泌する”ボルフィリン”に紫外線が当たると、
活性酸素が発生し、ニキビを炎症させてしまします。
肌に優しいタイプの日焼け止めとビタミンCやB2を補い、
内側からのケアを行いましょう。
7.花粉・大気汚染
身体の一番外側で、様々な刺激から身体を守っているのが肌です。
春や秋など、季節の変わり目にニキビができやすい場合は、花粉の影響に注意。
また、年間を通して気を付けたいのが大気汚染です。
細かい粒子の化学物質などが毛穴に入り、皮脂と結びつき、炎症を起こすと
ニキビの症状がでることがあります。
8.ストレス
知らず知らずのうちに溜まったストレスも、ニキビを作る原因に。
ストレスを受けると体内に活性酸素が発生。
細胞を傷つけ、免疫力が低下するとニキビを防ぐ力が弱まります。
更に活性酸素はコラーゲンなどの美肌成分を攻撃し、肌の再生がスムーズにいかず、
ニキビが治りにくくなり、跡が残りやすくなります。
9.間違ったケア
肌に良いと思っていたスキンケアが、実はニキビを進行させていたということも・・・
毎日正しいお手入れを重ねることが大切です。
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