誰でも、大勢の人前でスピーチをする時、目上の人や権威のある人に説明する時など、
何度かは緊張した経験があると思います。
この時の緊張は『社会不安』と呼ばれ、特に治療を必要とするものではありません。
しかし、もし緊張や不安が強く、あなたがそれを耐え難いと思っている場合、
そしてそのせいで日常生活や対人関係に支障が出るような場合、それは
『社会不安障害(SAD)』かもしれません。
社会不安障害(SAD)の実態把握調査では
「社会不安障害の一般人口における有病率は、18.2%である」
と、推定されています(日本エル・シー・エー調べ 2005)
これは5~6人に1人という、かなり高い割合です。
今まで、そのような『あがり症』は”性格の問題”とされてきました。
しかし、近年年齢を重ねてもあがり症が軽減することは少ないこと、
そして、社会不安障害は治療が可能であることが明らかになりました。
社会不安障害に苦しむ方からは…
「スピーチがあるので昇進を断った」
「進学を諦めた」
「異性に話しかけられず、恋愛ができない」
といった事を伺います。
うつ病やパニック障害、アルコール依存症の合併症が高まることも解っています。
社会不安障害がもたらす影響は、人生を左右しかねない、非常に大きなものなのです。
人前や生活場面で緊張を感じてしまう方、
「これは性格だから」「自分が弱いから」ではありません!
社会不安障害は治療可能な病気です。
現在、社会不安障害の治療はほぼ確立されています。
不安や緊張のため、本来のご自分の能力・パフォーマンスが発揮できず、
生活の二次障害を感じているなら勇気を出して治療を受け、
新しい人生を歩むことを、強くお勧めします。