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社会不安障害(SAD)の治療

当院の社会不安障害の治療法は、薬物療法が柱です。お薬を中心に治療を行います。

 

薬物療法で期待される効果は、

  • 不安感・緊張感・恐怖感を解消したり減らしたりすること
  • 「またああなったらどうしよう」という不安を解消したり減らしたりすること
  • 緊張する場面を避ける行動を減らすこと
  • 自律神経系の症状を解消したり減らしたりすること

などです。                          

お薬の治療では、スポット療法『根治療法』があります。

1:スポット療法

緊張の場面が限定している方で、通常の生活では不安の程度は低く、
頓服薬で不安場面を乗り越えることができる可能性が強い方向けです。
(突発的な緊張の場面でなく、プレゼンや会議、司会、会合など前もって頓服を服用できる人が向いています) 

例えば・・・                     

  • 定期的な朝礼で緊張する(その時以外は平気)
  • 試験本番で頭がパニックになる(その時以外は平気)
  • 発表会での不安がある(その時以外は平気)
  • 結婚式でスピーチを依頼されて不安(その時以外は平気)
  • PTAの会合がある(その時以外は平気)
  • 大勢の前でプレゼンテーションがある(その時以外は平気)

などなど・・・

この場合、即効性のある、作用時間が短い緊張止めのお薬『頓服薬』として使用します。
前もって緊張の場面が分かっている軽症のSADの人には有効です。

当院で使用しているあがり症の頓服薬は 
1:ミケラン(カルテオロール)5mg→
βブロッカーについて
2:ソラナックス(アルプラゾラム)0.4mgを緊張場面の1時間前までに服用 
(お薬は服用して1時間から6時間はしっかり効果が発揮しますので、緊張場面の直前に服用したり、とても強い緊張には適していません) 

注意:ソラナックス0.4mgを服用後は車の運転は出来ません
また、気管支喘息がある方、脈が遅い方、お薬に敏感な方では使用出来ないこともあります。

定期的な診察が難しい方でも、症状が軽い場合はスポット療法で治療が可能です。
一度ご相談ください。

 

2:根治療法(中等症~重症と思われる人向き)

社会不安障害(SAD)を本格的に治したい人(不安体質を改善したい人)けです。

治療期間は個人差がありますが、約6ヶ月~1年程度が目安。
人によっては数年通院している方もいますが、治療により不安や緊張は劇的に軽減していきます。

緊張の場面が生活の中で多々ある方、対人緊張が根底に強くある方にはSSRIを中心とした、
長期的薬物療法が必要です。

SSRIセロトニン強化療法で不安体質を徐々に改善、各々の場面で不安症状からの開放を目指します。
治療初期1-2週間に1回の来院が必要ですが、治療中期以降1ヶ月に1回程度の通院で治療出来ます。安定期に入ってから自信の完全獲得まで1~3年の方、数年通院を継続される方それぞれです。

治療全般を通して、スポット療法でのお薬も併用していきます。
不安の悪循環を断ち、「緊張しなかった!!」「上手くいくのだ!!」という成功体験を蓄積していきます。
緊張しやすさがわかる心理検査(チェックシート)を定期的に行いながら、自信の獲得につながるようケアします。

3:非薬物療法

緊張は脳が危険かもしれないと判断したときの体の反応からくる諸症状です
本体は自律神経の反応(交感神経モード)です。

1:呼吸をゆっくりする(腹式呼吸)

  鼻から4秒吸う(お腹をふくらませる)

  口から8から12秒吐く(ゆっくり細) 1:2~3の呼吸を意識する

  • ポイント:吐く時間を長くすることで、副交感神経が優位になる

▶︎ 吸気は交感神経、呼気は副交感神経が刺激されます

 

 

2:筋肉を一度ギュッと緊張させてからゆるめる
(ジェイコブソン筋弛緩法(漸進的筋弛緩法))

  • これは「徐々にリラックスする筋弛緩法(PMR)」という法です。

  • やり方(例:手):

    • 手をギューっと選んで5秒 → スッと力を抜く

    • 顔、肩、脚…と順番に全身をリラックスさせていきます

アメリカの神経生理学者エドモンド・ジェイコブソンが考案したリラクゼーション法です。
筋肉の緊張と弛緩を繰り返すことで、身体をリラックスさせます。

 

 3:「不安な思考」を外に出す

  • 紙に「緊張している理由」や「なんとなくそうなこと」を書き出す

  • 書くだけで「見える化」され、客観的に落ち着ける効果があります

▶︎書き出すことで、頭の中のぐるぐるが落ち着きます。
  自分を客観視することで余裕をつくる

 

4:安心する言葉を自分にかける(セルフトーク)

  • 「大丈夫。練習してきました」

  • 「今、呼吸できてるから落ち着いてる」

  • 「うまくやる必要はない。渡ればOK」

▶︎ 脳は「言葉」と「現実」を区別しにくいため、ポジティブな暗示が有効です。 

 

 

5:長期的 有酸素運動

  • 運動はセロトニンドーパミンなどの神経伝達物質を整え、ストレス耐性が高まります
    30分の運動を週3回 3ヶ月以上続けると効果が実感出来ます。 3・3・3運動の推奨

  • 瞑想・マインドフルネスは「扁桃体の過剰な反応を重視」が研究で確認されています

  • 日々の生活で呼吸に意識を向ける(腹式呼吸を意識する) 

  • 睡眠覚醒リズムを一定に保つ(セロトニン強化に繋がります) 

 

 

 

 

4:関連症状 その1 ワキ汗が多量に出る人 

緊張状態では交感神経系有意に傾いています、交感神経はアセチルコリンという物質が汗腺に指令をだしてワキ汗を含め汗が多量に出てしまします。

原発性腋窩多汗症の診断基準(Hornbergerらの診断基準)に合致される方は エクロックゲルでの治療という選択肢があります。 

原発性腋窩多汗症診断基準(2項目以上あてはまること)

  1. 最初の症状がでるのが25歳以下であること
  2. 左右両方で同じように発汗がみられること
  3. 睡眠中は発汗が止まっていること
  4. 1週間に1回以上多汗症状がでること
  5. 家族にも同じ疾患の患者さんがいること
  6. わきによって日常生活に支障をきたすこと

   エクロックゲルを使用される方へ  
ワキ汗治療ナビ     

 ワキ汗で困っている方へ 院長ブログより

 

4:関連症状 その2 手に汗が多量に出る人(手掌多汗症)

手の交感神経の活性化によって汗腺が刺激され手掌多汗症となると言われています。手掌多汗症の原因はストレス、ホルモンバランスの崩れ、遺伝要因などです。手掌多汗症は小学生や中学生の頃から発症することが多く、日本人の5%(20人に1人)に認められる症状です。
手掌多汗症の重症度判定は、Hyperhidrosis Disease Severity Scale(HDSS)分類(多汗症疾患重症度評価度)が使用されます。

  • スコア1:発汗は全く気にならず、日常生活に全く支障がない
  • スコア2:発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある
  • スコア3:発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある
  • スコア4:発汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある

手汗に対する外用薬「アポハイド®ローション」が2023年6月1日から発売開始となりました
1日 1 回就寝前に両方の手のひらに塗布することで効果を発揮する、日本初の原発性手掌多汗症治療剤です。 

 

アポハイドローション20%をお使いになる方へ 

 

お薬について

薬物療法の利点は、お薬を飲み忘れなければ、あまり努力することなく症状が改善していくことです。

お薬にはいくつかの種類があります。
当院では一人ひとりの症状や体質、状況にあわせて医師が個別に処方しています
ご自分に合った治療法を、医師と相談しながら決めていきましよう。
社会不安障害のお薬をもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

当院で使用するお薬について

 

おまけ 社会不安障害(SAD)の治療の第一選択はガイドライン上ではSSRIとなっていますが、場面が限定している人や軽症の人は必ずしもSSRIを使用せず治療を行うこともあります。

また赤面恐怖症では漢方薬が効果をはっきすることがあります。

社会不安障害(SAD)の治療に使用する漢方薬

12 柴胡加竜骨牡蛎湯 26 桂枝加竜骨牡蛎湯 15 黄連解毒湯 34 白虎加人参湯
24 加味逍遙散 25 桂枝茯苓丸    
   

その人に合わせて治療薬を決めています。

 

 
【もくじ】
・社会不安障害(SAD)の治療
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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