ストレス社会の中では、様々な心理的要因が私たちの痛みを引き起こしている場合があります。
身体的には異常がないのに、痛みに関わる神経経路にも異常が見られないのに、 ストレスに関連して痛みが生じるのです。
痛みは確かにあるのに、病院で検査しても異常が見つからないので、患者さんは不安を感じたり、混乱されたりします。
また、本当に痛いのに、ご家族や職場から理解が得られなかったり誤解されたりし、精神的に更に苦痛を感じてしまう場合もあります。 .
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では、どのような場合に心理的な原因から痛みが生じてしまいやすいのでしょうか。
様々なケースがありますが、以下のような状態でより生じ易いと言われています。
全てのケースには当てはまりませんが、多く見られやすい特徴はあります。
「痛み」は『身体』で起こっている現象、でもその「原因」は『心理的・精神的』なもの。
一見関係ないように見えますが、実は心と身体は歯車のような関係で、互いにバランスを取りながら機能しています。
当院では、医師と話し合ったり、心理検査などを利用しながら
“痛みの原因となっている心理的なもの”を明らかにしつつ、痛みをコントロールする術を学んだり、
痛みの治療に適したお薬で治療していきます。
痛みの状態やご本人のご様子、体質、生活背景など、状況は千差万別なため、
お薬は医師が個別に処方します。
SSRI、SNRIという種類のお薬と抗不安薬、漢方薬が治療に効果を上げています。
(その他、必要に応じてNSAIDsや鎮痛補助薬なども使用します)
SSRIは「セロトニン再取り込み阻害剤」と呼ばれるお薬で、
脳内の神経伝達物質であるセロトニンの減少を防いだり、強化をするお薬です。
最近の研究で、『心理的原因から生じる痛み』にセロトニンが深くかかわっている事が分かってきました。
SSRIは主に、セロトニンが関わる、うつ病、あがり症(社会不安障害:SAD)、パニック障害、月経前症候群(PMS)などに使用されますが、痛みに対しても効果が期待できます。
お薬に依存性はありません。
SNRIは「セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤」と呼ばれるお薬で、
セロトニンとノルアドレナリン両方の減少を防いだり、強化をするお薬です。
セロトニンは不安や焦燥を、ノルアドレナリンは気力や行動力をつかさどる事が分かっていますが、
最近の研究で「痛み」にも関係の深い物質であることが明らかになりました。
SNRIは主にうつ病などに使用しますが、
上記の事から痛みに対しても効果が期待できます。
お薬に依存性はありません。
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『心理的原因から生じる痛み』の背景には、多くの場合、不安や葛藤があります。
それらを和らげる事も、痛みの治療ではとても大切です。
抗不安薬には沢山の種類がありますので、
医師が個々人の状態に最も適したものを処方します。
医師の指示を守った適性使用であれば依存はおこりません。
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SSRI・SNRI・抗不安薬についてもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
漢方薬は、主にSSRIやSNRI、抗不安薬と組み合わせて処方されます。
『心理的原因から生じる痛み』によく処方される漢方薬は以下のものです。
体質・症状により使い分けます。
名 称 | 番号 | パッケージ |
八味地黄丸 はちみじおうがん |
7 | |
桂枝加朮附湯 けいしかじゅつぶとう |
18 | |
防已黄耆湯 ぼういおうぎとう |
20 | |
疎経活血湯 そけいかっけつとう |
53 | |
牛車腎気丸 ごしゃじんきがん |
107 |
漢方薬にも、健康保険が使えます。
当院は院外処方です。お近くの薬局さんでお薬を受け取られてください。
【もくじ】
・「痛み」の種類
・肩こり・腰痛・背部痛
・脊柱管狭窄症(LCS)
・線維筋痛症
・心理的な原因の痛み
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