ADHD(注意欠如・多動性障害)とは発達障害の一つで、その名の通り不注意・多動性・衝動性の高さを特徴とします。その特性から子どもの頃から生きにくさを感じていることが多く、多くの失敗経験から自尊心の低下が起こることも少なくはありません。そのため、精神疾患と合併することも多くあります。
はっきりとした原因はまだ分かっていないところが多くありますが、脳機能の問題をベースとしながら環境因との関連も指摘されています。しかし、薬物療法やカウンセリングによって症状をある程度緩和し、生活上の困難さを軽減することは可能です。
また、不安障害や不適切な養育(虐待やネグレクトなど)によっても似たような症状を呈するという報告もあり、鑑別診断のためには様々な角度からの慎重な判断が求められます。
成人期のADHDに特徴的な症状としては以下のようなものがあげられています。
※ADHDの診断はこのチェックリストのみで行うものではありません。
不注意(成人期の特徴)
□気が散りやすい、注意を持続するのが困難である。
□優先順位に無関係に先延ばしにする。
□順序立てて行動できず、整理整頓が苦手である。
□見通し、予測といった時間間隔がない。
□業務完遂が困難である。
□計画通りに実行できない。
□忘れ物、なくし物が多い。
・・・などなど
多動性(成人期の特徴)
□過剰におしゃべりをする、相手の話を遮る。
□内的な落ち着きのなさ(そわそわしていて忙しそう)。
□感情の起伏が激しい。
□仕事を過剰に引き受けてしまう。
□貧乏ゆすりなど、目的のない動きがある。
・・・などなど
衝動性(成人期の特徴)
□易刺激性・短気。
□転職が頻繁である。
□思いつきの旅行。
□危険な運転(信号無視、スピード違反)・交通事故
□喫煙・カフェインの過剰な摂取。
□衝動的・無計画な買い物(待てない)
・・・などなど
ADHDは年齢とともに状態が変化することが多く、成人では不注意が優勢になる傾向にあります。以上のようなことが12歳以前からあり、日常生活上でお困りのことがあれば、まずはご相談ください。
出典
日本イーライリリー株式会社 成人期ADHD診断上の重要ポイント
・ADHD(注意欠如・多動性障害)とは
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・発達障害の薬物療法について
・発達障害の心理療法について
・発達障害の方への職業訓練について
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