運動がメンタルヘルスに良ことは多くの研究から証明されています。
運動は、身体的な健康だけでなく、精神的なにも多大な影響を健康に与えます。
この効果は身体と脳の密接な相互作用によって生じます。
運動は、脳内の神経伝達物質のバランスを調整するのに役立ちます。
例えば、運動によってセロトニンやドーパミンの分泌が増加し、これらの物質は
気分を安定させ、幸福不足すると、うつ病や不安障害などの精神的な疾患のリスクが生じます。
(軽症や中等症のうつ病、うつ状態であれば継続運動は抗うつ薬と同等の効果が
研究で分かっています)
運動はストレスホルモンであるコルチゾールの増加を調整します。
適度な運動によってコルチゾールの過剰な発散を防ぎ、ストレスへの対抗力を高め、
ストレスがメンタルヘルスに与える悪影響を軽減します。
HPA軸の解説:
①ストレスが加わると、その刺激は大脳辺縁系から視床下部に及び、
視床下部からCRH(副腎皮質刺激放出ホルモン)が分泌され、それが脳下垂体から
ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)を分泌させる。それによって副腎皮質から
コルチゾールが分泌される。それらは短期的にはストレスに対処する反応であるが、
繰り返されると免疫力を低下させ、種々の病気への抵抗力が落ちる。
コルチゾールは血糖値を上昇させ細胞面疫や液性面疫を抑制する。
ナチュラルキラー(NK)細胞の活動を抑制するので、癌を悪化させたり、起こしたりする
と言われている。
②交感神経の興奮→種々の臓器に作用、副腎髄質からカテコールアミンが分泌→血管収縮、
心拍数増加、血圧上昇、血小板の凝集能増加、胃の粘膜血流の低下、
肝臓からブドウ糖を血中に放出などの反応を起こしそれらが繰り返されると
種々の病気を起こします。
運動は、睡眠の質を向上させる一因としても知られています。
良質な睡眠はストレスの軽減や気分の安定に貢献し、不眠症や睡眠障害のリスクを軽減します。
睡眠不足はメンタルヘルスに悪いことが知られています。
運動は身体的な健康を改善し、体重管理を支援する助けとなります。
逞しく引き締まった体は自尊心と自己イメージが向上し、精神的な安定感が増します。
運動は脳の神経プラスチシティ(歳を取っても脳が変化し学習し続ける能力)を高めます。
ストレスへの適応能力の向上に寄与します。
グループの運動活動やスポーツは、社交的なつながりを築く機会を提供します。
グループ内での共感を高めます。
運動は身体的なエネルギーを消費し、ストレスのリリースに役立ちます。
不安やストレスが高まると、運動は身体的なリリースバルブとして機能し、気分を軽減させます。
慢性的な炎症はうつ病などの精神的な疾患と関連しています。
運動は免疫システムを調整し、炎症反応を軽減することが示唆されています。
現在、慢性疼痛とうつ病の関係が解明されつつあります。
総括すると、運動は精神的な健康に多くの面で利益をもたらす多くのメカニズムを持っています。
身体と脳の相互作用により、運動はメンタルヘルスに対する総合的なプラスの影響をもたらします。
また、これらのメリットは運動の種類や強度に応じて異なります。
有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、サイクリングなど)は心臓血管系の健康をサポートし、
ストレスの軽減に役立つ方、抵抗運動(ウェイトトレーニング) ヨガなどは筋力と柔軟性を
向上させ、自己イメージや自尊心向上させます。
一般的な運動のガイドラインでは週に150分から300分の中程度の有酸素運動、もしくは
75~150分の高強度の有酸素運動、またはその組み合わせで同等の時間・強度となる
身体活動がメンタルヘルスの向上に効果的です。
しかし、私は、1回30分 1週間に3回 3ヶ月以上継続 の 3-3-3運動を推奨しています。
必ずしも堅苦しく考えずまずは出来るところから始めていいのです。
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