先日NHKでAEDの操作に関しての番組がありました。
私自身、何度か患者さんへ電気ショック(除細動)治療を行ったことがありますが、病院外で、心電図のモニターなど何も医療設備がなく、AEDを使用するとなると、やはり医師であっても勇気がいることだと思います。
気管内挿管・ルート確保(点滴)・モニター設置・酸素投与 などは病院では当たり前ですが、医療設備の何もないところでは出来ることが限られているのでは?と思っておりました。
従来 人が突然倒れて意識も呼吸もない場合、①口から息を吹き込む人工呼吸と②胸を圧迫する心臓マッサージを繰り返す心肺蘇生法が当然と思っておりましたが、その考えが変わってきているというのです。
それは日本を始め世界的に、心臓マッサージだけの有効性が相次いで報告されているというのです。
2010年の「米国医師会雑誌(Journal of the American Medical Association、JAMA)」10月6日号に 医療機関でない場所で心臓発作を起こしたときは、たとえ医療従事者ではない人が心肺蘇生法(CPR)を施しただけでも回復の可能性が高まり、しかも従来の人工呼吸も伴う蘇生法よりも、胸部圧迫だけを続けたほうが効果が高いという研究結果が発表され、とにかく 心臓マッサージを続けることが救命率につながるというのです。
またAEDの使用も積極的にした方がよいようです。
まずはAEDを設置している施設を把握しておくことが大切ですね!! 人があえぎ呼吸 (死戦期呼吸・下顎呼吸:心臓が止まって、呼吸の機能が失われるときに表れるもので、体に酸素を取り込めているわけではありません)
をしていると とても慌て、パニックになると思いますが、心臓停止の状態であれば、119番へ連絡と同時に、まず心臓マッサージ 近くにAEDがあればトライする勇気!!
心臓マッサージをする?しない?の判断の為にもAEDは役に立ちます、AEDは、心臓の動きを元に戻す『治療器具』ですが、同時に、電気ショックが必要かどうかを教えてくれる『診断器具』でもあるんです。
電源を入れれば、音声で、『絵の通りパッドを貼ってください』と次にやることを教えてくれますし、電気ショックが必要ない場合は、『ショックは不要です』音声指示がありますので、積極的に使用してもいいものです。
AEDは日本では、医師しか使用が認められていなかったのですが、2003年になって、救命救急士に使用(医師の指示なく)が認められ、2004年7月からは一般市民も使えるようになっています。
『日本不整脈学会』も 『判断に困ったら、AEDの電源を入れて、指示に従う』。
『たとえ救えなかったとしても、一般の人が責任を問われることはない』ので、積極的にAEDを使って欲しいと呼びかけています。
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