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精神性発汗と温熱性発汗

2011年7月26日 火曜日

社会・社交不安障害の症状の一つに 発汗恐怖というものがあります。

名前の通り 発汗に対しての恐怖です。

発汗には主に 温熱性発汗と精神性発汗があります。 (その他 味覚性発汗などもあります)

温熱性発汗は気温の上昇、運動後、温かいものを食した後など 体温が上昇しすぎるのを防ぐために体温調節としてエクリン腺から汗が出てくる現象。

精神性発汗は不安や緊張、驚愕反応のときの汗。 

当院での相談は 殆どが精神性発汗!! 不安や緊張に伴う発汗です。

緊張場面におかれると 発汗が出る、そのことでまた不安が増幅されて、その不安刺激で汗が更に増えてしまう。 精神交互作用!!

医師の仕事の一つに様々な処置があります。 私は以前 IVH(中心静脈栄養)という点滴での栄養管理を行っていました。 また髄膜炎などの診断の為に腰椎穿刺などの処置を行う時もそうですが、 その時は処置に全神経を集中して、細かい作業を行います。 その時など 終わった後は どっと汗が出てきます。 その時の汗は半端なく、顔がびっしょり濡れる位です。 しかし 『処置に伴う汗と思っているので・・』(それだけ神経を集中させているので)と思うことで、汗の事は気にしていませんでした。精神の反応と思っているからで。 これを恥ずかしいと思えば、次からは処置の途中からでも汗が気になりだすと思います。

緊張場面、集中場面では汗は出るものと 考え方を変えることも必要です。 精神交互作用 心と体の関連があります。 あるがままに自分を受け止める。 難しいけど大切な事ですね。

PS  発汗は上記以外に 甲状腺機能亢進症に伴う発汗 糖尿病に伴う発汗 更年期障害に伴う発汗 褐色細胞腫 末端肥大症 リウマチ などの可能性は除外しながら診断・治療を進めていく必要があります。

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