冬季うつ病の取材が来ました！！

めんたいワイド - FBS福岡放送さんから

『冬季うつ病』(ウインターブルー)の取材がありました。

冬季うつ病とは：気分障害　うつ病の一種で　季節により症状が出現、あるいは季節的にうつ病症状が増悪する疾患。

緯度が高く日照時間の短い北国ほど、冬季うつ病の発症率が高いことがわかっています。

(寺尾岳先生の研究で47都道府県の経度、緯度と、都道府県別の自殺率、年間平均気温、年間総日照時間、および経済的要因として、年間平均所得や年間平均失業率を調査し、自殺率とそれぞれの要因の関係を検討した結果→年間総日照時間が少ないほど自殺率が有意に上昇することが判明　2002年)　

同じ地域に住んでいても　夏至(げし)と冬至(とうじ)で日照時間はおおよそ5時間の差があります！！

太陽を十分に浴びること、運動すること、トリプトファンを中心とした食事、充分な野菜からミネラルなどの摂取がうつ病を吹き飛ばしてくれますが冬はとっても日照時間が短い！！

またこの時期は寒い！！日照時間だけでなく太陽の昇り方からみても　冬は日差しが弱い

2022年の大寒 (だいかん)は1月20日(木曜日)でした。　暦(こよみ)通り　今年の大寒はとっても寒かった！！　

人間寒いときは外にでない→運動量が減る→筋肉活動が減る　そうなると　脳内のセロトニンレベルが減ってくる！！　

冬至のあとから大寒の期間は　毎年うつ病の人が悪化する時期でもあります。

	一般的なうつ病	季節性うつ病（うつ病の季節性増悪）
基本症状	不安感・抑うつ気分・意欲低下・集中力低下・興味関心の低下など	基本症状は同じ
睡眠状況	浅眠　中途覚醒　早朝覚醒	過眠傾向
食欲	食欲減退	甘い物（炭水化物など）が欲しくなる
体重	食欲減退の結果減少	甘い物摂り過ぎにて増加

うつ病の投薬治療ではSSRIやSNRI　もしくはうつ病の増強療法などで　少しでも症状の悪化を食い止めるようにしていますが。　新規の患者さんもこのところ増えてきています。　

2019年年末から始まった　新型コロナウイルス感染　第一波から第五波までを私たちは経験してきました。　第三波以外は温かい時期の感染でした。　第三波は今となっては軽度の波だったのですが、現在新型コロナウイルスオミクロン株、今までで最強の株に変化して　冬を迎えています。

NHKのホームぺージより

年末から年始にかけて、当院では　新患では20代女性の患者さんが特に多く受診されています。今までにない傾向です。　

それぞれ　職場ストレス、家庭問題、人間関係問題様々な苦悩を抱えての来院ですが

20代から30代女性にとって今までは『人と話すこと、コミュニケーションを取ることで落ち着き、気分転換になっていたり、相談者がいて問題が解決していたりしてきた』のがステイホームでコミュニケーション取れない、外出自粛で孤立化していることなどにより20代から30代の受診が増えている一つの要因ではないかと考えています。

生物学的に女性は気分障害(うつ病)になりやすいことが分かっています。　新型コロナウイルスで人と関わることが少なくなり、孤立化し、経済的にも困難となっている現状でメンタルヘルスの問題が悪化しているのだと思います。

診察により　気分障害が判明(診断)すると　やはり抗うつ薬(SSRIやSNRI、NaSSAなど)のお薬が主力の治療手段となりますが。

1：睡眠覚醒リズムを整える(早寝・早起き)　→10時~11時までに就寝(深夜12時を超えない)

2：適度な運動、出来れば　朝日を浴びながらの散歩(10から30分でも効果あり)　

(高照度療法というものがあります、高照度光器具を用い、朝5,000～10,000ルクスの光を30分～1時間浴びる治療法ですが、そこまで装置を準備せずとも朝の散歩でも体内時計のリセット効果はあります　ちなみにコンビニの室内照度は1000ルクスと言われていますがその明るさでもリセット効果はあります)

3：朝きちんと食事を摂る、単に栄養の補充だけでなく、朝の食事は体内時計の副時計と言われますので、朝日とプラスで食事を摂ることでよ強く　体内時計のリセットが出来ます。

4：体内時計がリセットされると　朝日が浴びて15時間前後で　夜　脳(松果体しょうかたい)から睡眠ホルモンのメラトニンが分泌されます。　深い睡眠にはいると　翌日の活動量がアップしセロトニンレベルもアップ　好循環に入っていきます。　

2年間　新型コロナウイルス禍での生活ですが　

トンネルはあと少しで出口だと信じています(ワクチンの普及、経口薬の一般処方化、検査体制の強化、ウイルスは年数を減ると弱毒化するなど)　

もうしばらくの辛抱、　本当の意味での春は近いと信じています！！　


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