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PTSDの治療としてブレクスピプラゾールとセルトラリン併用療法の臨床治験について〜第III相臨床試験

心的外傷後ストレス障害における
ブレクスピプラゾールとセルトラリンの併用治療:
第 3 相ランダム化臨床試験。
の論文を見つけました!!

現在日本でPTSDの薬物療法として適応が取れているお薬
セルトラリン(ジェイゾロフト)
パロキセチン(パキシル)のみ
ですが、
そのセルトラリン(ジェイゾロフト)と
ブレクスピプラゾール(レキサルティ)の
併用療法の第3相ランダム化臨床試験の話です。 

ブレクスピプラゾール(レキサルティ)は
統合失調症の治療薬として、
また難治性うつ病・うつ状態にも適応が取れているお薬です。
実際私も、うつ状態・うつ病で難治例の患者さんに
ブレクスピプラゾール(レキサルティ)を使用して
とても良い感触を感じています。
(なかなかうつ病・うつ状態が遷延化していた方が
すっかり改善してきているケースが多く見られています) 

論文の結果として
・試験完了率は、
ブレクスピプラゾール+セルトラリン群で64.0%(214例中137例)
セルトラリン+プラセボ群で55.9%(202例中113例)
であった。
・10週目のCAPS-5合計スコアは、
ブレクスピプラゾール+セルトラリン群で
セルトラリン+プラセボ群よりも統計学的に
有意な改善が認められた。
(最小二乗平均[LSM]平均差:−5.59、95%
CI:−8.79〜−2.38、p<0.001)

まとめとして
『著者らは
ブレクスピプラゾール+セルトラリン併用療法は
セルトラリン+プラセボと比較し、
PTSD症状の有意な改善が認められ、
PTSDの新たな治療法になりうる可能性が示唆
された。
ブレクスピプラゾール+セルトラリン併用療法の
忍容性は良好
であり、安全性プロファイルは
ブレクスピプラゾールの既存の適応症に
おけるものと同様であった」と結論付けている。』

文献:心的外傷後ストレス障害におけるブレクスピプラゾールとセルトラリンの併用治療:第 3 相ランダム化臨床試験。

これからのPTSDの治療に役に立てることを願っております。 

 

 

 

 

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