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エジンバラ産後うつ病尺度について

エジンバラ産後うつ病尺度
(EPDS: Edinburgh Postnatal Depression Scale)とは?

エジンバラ産後うつ病尺度(EPDS)は、
産後うつ病のリスクを評価するために開発された
自己評価式の質問票です。

1987年にイギリスのエジンバラ大学で開発され、
世界中で広く使用されています。

特徴
  • 10の質問項目(各質問に4択 0~3点で回答 )
  • 合計スコアが高いほど産後うつ病のリスクが高い
  • 自己評価式で簡単に実施可能
    (医療機関や自治体の母子健診でも利用)
質問内容の例
  • 「問題をやめると感じましたか?」
  • 「訳ても不安になったり、心配しすぎたりすることがありましたか?」
  • 「理由もなく怖くなることがありましたか?」
  • 「気分が落ち込んで、辛いことが多かったですか?」
  • 「自分を決めることを考えますか?」
スコアの基準
  • 9点以下:正常範囲 
    (産後4週間でカットオフ9点、欧米のカットオフは12点)

    産後女性では2週間後が一番点数が高くなります、25%は
    EPDS-9点以上、しかし一過性に改善(産後4週間ではEPDS-9点以上
    は10~15%、産後2ヶ月では10%程度に改善します:産後の
    精神症状はダイナミックに変動します) 
  • 10~12点:注意が必要
    (経過観察や相談を推奨)
  • 13点以上:産後うつ病の可能性が高い
    (医療機関への受診を推奨)

   

産前・産後はエジンバラ(EPDS)指数で
産後うつ病の前兆や発症、重症度
などの指標として
活用されます。
元々精神科や心療内科へ通院中の方は
点数が高くなる傾向があります。 

エジンバラ(EPDS)の具体的活用例 
  • 産後1か月健診や自治体の母子健康診査で利用
  • 自己チェックとして利用し、
    気になる場合は医師や専門家に相談
  • 産後のメンタルケアの心構えとして、
    パートナーや家族も学ぶために活用

     

早期発見・早期対応が重要!
産後うつ病は正しい支援や治療で回復できるので、
気になる場合は専門機関に相談しましょう。

 

追記:東京都23区の妊産婦の異状死の実態調査より(順天堂大学 竹田省より) 

この調査では 妊娠初期2ヶ月目 と産後3ヶ月4ヶ月頃自殺される方が
多い結果だった。 自死の徴候を早期に周囲が気づくためにも
このエジンバラ産後うつ病尺度(EPDS)は活用されればと思っています。
(当院でも活用しています) 

 

 

 

 

 

 

 

 

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