線維筋痛症(FM: Fibromyalgia)という疾患があります。
慢性化してしまう、疼痛を主症状とする疾患です。
全身の筋肉・関節などに痛み(ときに激痛)を感じる疾患です。
1990年にアメリカで診断基準が決まりました。
日本では少し遅れて2003年に厚生労働省が研究班を立ち上げた新しい概念の疾患です。 痛みのみを中心に診ると 線維筋痛症 しかし
精神的要素を入れて診断すると身体表現性障害(疼痛性障害)ともとれる疾患です。
線維筋痛症としてのデータでは8割が女性、30-60代、 人口の1.7%に発症と推定されています(アメリカでは2%)
線維筋痛症を発症すると 痛みの受容器に痛みの原因がなくても、脳が誤作動を起こし、痛みを抑えることが困難になってきます。
原因は 解明されていませんが
免疫系の異常、また外傷や炎症性の病気、外科手術などが発症の誘因につながたケースもあるようです。 時に虐待やPTSD(心的外傷後ストレス障害)もきっかけになります。 うつ状態が痛みを誘発することもあるようです。
(長くストレスにさらされていると、痛みの信号が脳に伝わってもドパミンが放出されず、μオピオイドを介した下行性疼痛抑制系が機能しなくなり、わずかな痛みでも強く感じたり、痛みが長引いたりしてしまいます)
診断はまず 他の疾患がないかの除外診断、リウマチや膠原病、その他の痛みを伴う疾患(脊椎関節炎など)がないことが大前提。
そのうえで 全身の18カ所の圧痛点を1㎝2 当たり4キロの強さで圧痛点に疼痛がないかを確認すること。 11カ所の圧痛ポイントがあれば注意!!
治療は
まずは NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)、やプレガバリン(リリカ)、ノイロトロピンなどを使いますが
脳からの痛みの伝達をコントロールする薬剤、SNRIやSSRI、NaSSAなどが有効なことが多いことが知られてきました。
下行性疼痛抑制系の賦活作用!!!
この効果が SNRIやNaSSAに特に強いと言われています。
(サインバルタ・トレドミン・リフレックス・レメロンなど)
中枢から脳幹部を通って下行する痛覚の調整機能『下行性疼痛抑制系』
『心頭を滅却すれば火もまた涼し』 それが体に備わっているわけですね!!
下行性疼痛抑制系の神経伝達物質はセロトニンやノルアドレナリンだといわれています、セロトニンとノルアドレナリンを増やしてやると痛みが緩和されることになります。
FMに困っている方には、痛みから解放された生活を送って貰いたいと思います。
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