「英国王のスピーチ」という映画はご存知でしょうか?
吃音に悩まされたイギリス王ジョージ6世と、その治療にあたった言語療法士の友情を史実を基に描いた作品で、第83回アカデミー賞では作品賞など4部門を受賞ました。
吃音とは、言葉がつっかえたり、「あ、あ、あの…」と同じ音を繰り返してしまうなど、滑らかに話せない障害のことです。通称「どもり」
多くは幼少期に発症するのですが、思春期あたりから目立つようになる人もいます。
大半は自然と症状が軽減・改善することが殆どですが、まれに成人になっても残る方もいるようです。
吃音には3つのパターンがあります。
難発性吃音は、主に「阻止(またはブロック)」最初の一言が出ない
連発性吃音は「音節の繰り返し」 言葉の繰り返し
伸発性吃音は「引き伸ばし」 などのパターンです。
多くは幼少期に発症するということもあり、子どもやその親御さんが心配するケースも多いものです。
そんな吃音に対してリハビリテーションを行っている病院が愛知県や長野県にあります。そこは言語聴覚士というリハビリテーションの専門職が外来患者さんを対象に行っています。
正に「英国王のスピーチ」のように、言語聴覚士と一緒になって滑らかな話し方や吃音のコントロール方法などを練習するようです。
吃音を友達に真似されたりすると、子どもは自信を失くしてしまい、余計言葉が出なくなって、その結果消極的な性格になってしまいます。
そんな子どもや親御さんにとって、このような言語聴覚士の存在は心から待ち望んでいたのではないでしょうか。
そこでは「吃音を「治す」のではなく、吃音の出ない話し方を身に付けること。」を目的として、吃音に悩む人たちにリハビリを行っているというとのこと、とても感銘を覚えました。
吃音自体を否定するのではなく、受け入れた上で克服することを目指している治療方法なのだと感じました。
吃音は発達障害の一つとされ、脳の発話中枢と運動中枢の神経の接続が何らかの理由で不十分になっている可能性が指摘されている。
患者さんの中で吃音の為緊張が増幅され、自尊感情の低下なども加わりスピーチ恐怖、対人恐怖に発展している方も多いです。
悩む子どもが一人でも多く笑顔で過ごせることを願っています。