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発汗について

発汗の種類

1.エクリン汗腺による発汗

主な役割
体温調節

汗腺の分布
全身に広く分布しており、特に額、手のひら、足の裏などに多く見られます。

汗の成分
主に水分と少量の塩分(ナトリウム)が含まれており、透明で無臭です。

発汗の誘因
温熱性発汗(体温調節のための発汗)や精神性発汗(ストレスや緊張による発汗)
が含まれます。

温熱性発汗
体温が上昇したとき、特に暑い環境や運動中に発生します。
発汗によって皮膚表面から水分が蒸発する際に熱が放散され、体温が下がります。

精神性発汗
精神的なストレスや緊張、恐怖などの心理的な刺激によって引き起こされます。
主に手のひらや足の裏、脇の下などで発汗します。

2.アポクリン汗腺による発汗

主な役割
体のにおいを発生させ、フェロモンとしての役割を持つ可能性があります。
また、ストレスや感情の変化に反応することもあります。

汗腺の分布
脇の下、乳輪、外耳道、陰部など、体の特定の部位に限定されて分布しています。

汗の成分
脂肪やタンパク質を含む粘稠な液体で、無臭ですが、
皮膚上の細菌によって分解されると独特のにおいを発します。(いわゆる体臭)

発汗の誘因
主に情動性発汗(感情の変化に応じた発汗)が含まれます。

情動性発汗
強い感情(喜び、怒り、恐怖など)や緊張状態において、
アポクリン汗腺が刺激されて汗を分泌します。

 

 

発汗のメカニズム

1.発汗の生理的メカニズム

汗腺の構造
エクリン汗腺は表皮の下に位置し、汗管と呼ばれる細い管を通じて皮膚表面に汗を分泌します。汗腺の活動は、主に自律神経系(交感神経)の刺激によって制御されています。 

アポクリン汗腺は毛包に開口しており、分泌された汗は毛孔を通じて皮膚表面に到達します。
アポクリン汗腺も自律神経系の影響を受けますが、特に感情やストレスに反応します。

2.発汗の神経・ホルモン制御

交感神経系
発汗は主に交感神経系によって制御されています。
特に、エクリン汗腺はアセチルコリンという神経伝達物質によって刺激され、
発汗を引き起こします。
交感神経は体温調節のために常に活動しており、外部環境の変化に応じて発汗を調節します。

ホルモン
ホルモンの変化も発汗に影響を与えます。
例えば、更年期の女性ではエストロゲンの減少がホットフラッシュを引き起こし、
急激な発汗を伴うことがあります。
また、ストレス時にはコルチゾールなどのストレスホルモンが分泌され、
それが発汗を促進することもあります。

3.発汗の調節

視床下部の役割
視床下部は体温調節の中枢であり、外部環境や体内の温度変化を感知して
発汗を調整します。視床下部は、皮膚の温度受容体からの情報をもとに、
発汗を増減させる指令を交感神経に送ります。

反射的な調節
体温の急激な変化に対して反射的に発汗が行われます。
例えば、運動を始めた直後に汗が出始めるのは、体温上昇を抑えるための迅速な反応です。

 

発汗の役割と重要性

1.体温調節

発汗は、体温を一定に保つための重要な機能です。
汗が蒸発する際に体から熱を奪い、体温の上昇を防ぎます。
これにより、過熱による熱中症のリスクを低減します。

2.代謝の副産物の排出

汗を通じて少量の代謝産物(尿素、アンモニアなど)も排出されます。
これは腎臓による排出に比べると微量ですが、
体内の浄化プロセスの一環として機能しています。

3.感情や社会的な役割

発汗はストレスや緊張、不安などの感情反応として現れることがあります。
例えば、緊張した状況で手のひらに汗をかくことはよく知られています。
これは、発汗が社会的なコミュニケーションや感情の表現にも関与していることを
示しています。

まとめ

発汗はエクリン汗腺とアポクリン汗腺という2つの異なる汗腺によって行われ、
それぞれ異なる役割とメカニズムを持っています。
エクリン汗腺による発汗は主に体温調節を目的とし、
アポクリン汗腺は主に感情反応やフェロモンの分泌に関与します。
発汗は自律神経系やホルモンによって制御され、
体温の調整やストレス反応において重要な役割を果たしています。

 

 

 

 

 

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