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ダイアモックス(一般名アセタゾラミド)の活用方法

ダイアモックス(一般名:アセタゾラミド) というお薬をご存知ですか?

一般的には下記の疾患の治療薬として使用されるお薬です。

  • 月経前緊張症
  • メニエル病及びメニエル症候群
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 緑内障
  • てんかん(他の抗てんかん薬で効果不十分な場合に付加)
  • 肺気腫における呼吸性アシドーシスの改善、心性浮腫、肝性浮腫
  • 高山病

当院へ月経前症候群や睡眠時無呼吸症候群、メニエル病及びメニエル症候群の患者さんが
多いので割と当院で処方している薬です。

ダイアモックス(一般名:アセタゾラミド)には
炭酸脱水酵素の働きを阻害する作用があります。
炭酸脱水酵素とは、腎臓・脳・目など体のあちこちに存在する酵素の一種で、
水分と炭酸ガスの反応にかかわっています。
このお薬は、その酵素を抑制することで上記の疾患に使用されています。 

毎年山の日は8月11日です。
この時期は登山者からダイアモックス(一般名アセタゾラミド)の問合せが多くなる時期です。
高山病の予防薬&治療薬としても登山者には欠かせないお薬なんです人差し指
 

以下 ダイアモックス(一般名:アセタゾラミド)の高山病関係についてお話ししてみます。

1. ダイアモックスの作用機序
  • 炭酸脱水酵素阻害薬: ダイアモックスは炭酸脱水酵素(CA)の働きを阻害し、
    体内の酸塩基バランスを変化させることで、呼吸を促進します。
    これにより、血中の酸素供給が改善され、高度順応を助ける効果があります。
2. 使用方法
  • 予防的な使用: 高地に登る2日の夜、もしくは出発の2日から服用を開始し、
    その後登山中に継続して服用します。
    通常の予防用の投与量は、1回125 mgから250 mgを1日2回です。
     
  • 治療的な使用: 高山病の症状が現れた場合、同様に1回250 mgを1日2回服用します。
    症状が軽減するまで服用を継続しますが、症状が重い場合や改善が見られない場合は、
    高度を下げることが必要です。
3. 使用期間
  • 服用期間: 高地に到達してから2~3日間、または高度順応が完了するまで
    服用を続けるのが一般的です。長期間の使用は推奨されません。
4. 副作用
  • 頻尿: ダイアモックスは利尿作用があるため、頻尿を引き起こすことがあります。
    これにより、脱水症状のリスクが高まるため、十分な水分補給が必要です。
  • 感覚異常: 服用者は手足のしびれやチクチクする感じを経験することがあります。
  • 味覚変化: 一部の人では、炭酸飲料が不快に感じることがあります。
  • その他の副作用: 眠気、めまい、吐き気、疲労感などの副作用が報告されています。
5. 注意事項
  • アレルギー: ダイアモックスはスルファ薬の一種であり、スルファアレルギーのある人は
    服用を避けるべきです。
  • 腎臓や肝臓の問題: 腎臓や肝臓に問題がある場合、ダイアモックスの使用は
    慎重に行う必要があります。服用前に医師に相談してください。
  • その他の健康状態: 糖尿病や肺疾患などの持病がある場合、
    事前に医師と相談の上で使用してください。
6. 服用の中止
  • 徐々に中止: ダイアモックスの服用を急に中止すると、
    リバウンド効果が現れることがあります。
    医師の指示に従い、徐々に服用量を減らすのが理想的です。
    (上記の量の半量にして徐々に減らしましょう)
7. ダイアモックスの入手と服用前の相談
  • 処方薬: ダイアモックスは処方薬であり、服用には医師の診察と処方が必要です。
    登山やトレッキングを計画している場合、基礎疾患の有無など事前に医師に相談して
    適切な指示を受けることが重要です。

 

ダイアモックスは高山病の予防に有効ですが、
使用には適切な医師の診察と指導が必要です。
服用の際は、自分の体調や環境に応じた適切な用法と用量を守り、
安全に登山を楽しみましょうね。
 

 

 

 

 

 

 

 

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