抗うつ薬は、うつ病や不安障害などの治療に広く使用されていますが、
副作用の一つとして性機能障害(セクシュアル・ディスファンクション)が報告されています。
性機能障害はうつ病、うつ状態でみられる症状なので、
必ずしも抗うつ薬だけの問題でもないことが多いのですが、
治療中に発症する性機能障害( TESD Treatment emergent sexual dysfunction ) の
メカニズム、症状、各薬剤の影響、そして対策について詳しく説明します。
抗うつ薬は脳内の神経伝達物質に作用し、特にセロトニンやノルアドレナリン、
ドーパミンのバランスを調整します。
これらの神経伝達物質は、気分や感情だけでなく、性機能にも重要な役割を果たします。
特に、セロトニンの過剰な活性化が性欲減退やオーガズム遅延を引き起こすと考えられています。
抗うつ薬による性機能障害には以下のような症状が含まれます。
抗うつ薬の種類によって、性機能障害のリスクは異なります。
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)
三環系抗うつ薬(TCA)
NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)
NDRI(ノルアドレナリン・ドーパミン再取り込み阻害薬)
抗うつ薬による性機能障害は、多くの患者にとって大きな悩みとなることがありますが、
対策や管理方法もいくつか存在します。
性機能障害は、薬の使用を中止した後もしばらく続くことがありますが、
通常は数週間から数カ月で回復します。
ただし、一部の人々では「持続的性機能障害」(PSSD: Post-SSRI Sexual Dysfunction)
と呼ばれる状態が続くことが報告されています。
これには、性欲の持続的な低下やオーガズム障害が含まれますが、発生はまれです。
抗うつ薬の性機能障害は一般的な副作用で、発生率は2~16%とされています。
特にSSRIやSNRIでよく見られます。
ただし、個々の状況に応じた治療法や対策を講じることで、症状を管理することが可能です。
オープンに話しにくい内容ですが医師に相談し、最適な治療計画を立てることが推奨されます。
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