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「脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方」

「脳を鍛えるには運動しかない!
最新科学でわかった脳細胞の増やし方」

「運動することがメンタルヘルスを高める秘訣」と
常々患者さんに言っていますが、
今回参考になる本の要約を書きました。
こちらの要約を見て興味を持たれた方は、
ぜひ本を購入して読んでみてください。
手元に置いて何度でも読んでいただくことで
習慣化が期待できます。
コチラからも購入出来ますが、
当院はアフィリエイトはしておりませんので、
お好きなところからお買い求めください。

 

1【革命へようこそ 運動と脳に関するケーススタディ】

・イリノイ州ネーパーヴィル・セントラル高校では、
朝の授業の前に「
0時間体育」の試みを始めたところ、
参加する生徒の成績が上がったという結果が出た

また、運動直後の方が、より顕著な結果を得られることが分かった。

・健康な生徒とそうでない生徒の
「注意力、作動記憶、処理速度」を比較したところ、
健康な生徒の脳の方が、脳電図は活発な動きをみせ、
注意力にかかわりのあるニューロンが
より多くはたらいていることを示した。

つまり「体にいいことは、脳にもいい」ということがわかった。

・ネーパーヴィルで学区の体育コーディネーターを
しているフィル・ローラーは
「速く走れること」と「ベストを尽くしていること」は、
必ずしもイコールでないと提言した。

そのことから、
生徒たちの「心拍数」に注目し、
スポーツの種類を問わず、どれだけの時間、
目標心拍域に達していたかで成績がつけられる。

能力評価でなく、
生徒たちの努力で評価されることで、
本人のやる気も維持できて、
運動を嫌がることなくすすめられる。

・フィル・ローラーは
「スポーツではなく健康増進を」という
メッセージを発信し、
リキュラムが目標とするのは
「健康でいることの意味と実践方法、その大切さ」
を教えること
としている。

2【 学習 脳細胞を育てよう】

・運動は「心の準備」を整えるだけでなく
「細胞レベルで学習に直接影響」し、
新しい情報を記録し分析する脳の機能を高める。

・精神の状態を改善するために用いる薬は、
三つの神経伝達物質
(セロトニン・ノルアドレナリン・ドーパミン)

にはたらきかける。
運動は脳の中の神経伝達物質と
その他の神経化学物質のバランスを保つ。

・神経伝達物質と同様に重要なものが
「脳由来神経栄養因子
(BDNF)」という、
脳のインフラを構築・維持する分子グループ
である。

BDNFは脳にとって肥料のようなもので
ニューロンの機能を向上させ、
その成長を促し、強化し
「思考と感情と運動を生物学的に結びつける」
役割を果たしている。

・運動は以下3つの理由で学習を助ける。

1.気持ちがよくなり、頭がスッキリし、
注意力が高まり、やる気が出る

2.新しい情報を記録する細胞レベルでの基盤として
ニューロン同士の結びつきを準備、促進

3.海馬の幹細胞から新しいニューロンが
成長するのを促す

・脳を育てるのに最適な運動は
心血管系と脳を同時に酷使するスポーツ(テニスなど)」や
「軽い有酸素運動ののち、技能を必要とするスポーツ
(ロッククライミングなど)」が良い

3【ストレス 最大の障害】

ストレスは脳の成長に必要不可欠な存在。

なぜなら、運動はストレスにもなりうるが、
運動によって引き起こされた脳の活動は、
ニューロンを傷つけ、そして修復し、
ニューロンをより強いものにして
心身の適応能力を磨き上げる。

・慢性ストレスがもたらす問題の一つに、
HPA軸が警戒を続けて燃料を独占するため、
脳の分のエネルギーが奪われてしまうこと
があげられる。

また、ストレスが多すぎると、
人間はストレスと関係のない記憶を形成できなくなり、
既存の記憶も取り戻せなくなる。

・祖先の時代と比べると、
現代のライフスタイルは、
苦難が減り情報だけが増え
「ストレスだらけ・動かない人だらけ」と言える

また孤独もストレスの一つだが、
運動は人に会うきっかけにもなり、
社会的なつながりによってストレスを軽減することができる。

・運動によって細胞内のエネルギー生産は
より効率的になり、
有害な酸化ストレスを増やすことなく
ニューロンが必要とする燃料を供給できるようになる

4不安 パニックを避ける】

有酸素運動は、
不安障害のどんな症状も大幅に和らげることを
数多くの研究が証明している。

運動による一連の化学反応は、
気持ちを落ち着かせる効果がある。

例えば、筋肉がはたらきはじめると
セロトニンの材料となるトリプトファンが増え、
運動によって気持ちを落ち着かせる
BDNFGABA
過度な興奮にブレーキをかけるANPも増える。

・運動は、日常で感じる不安・病的な
不安の両方に対して、以下の効果がみられる

1.不安から気をそらすことができる

2.筋肉の緊張をほぐす(筋肉の緊張が和らぐと不安も和らぐ)

3.脳の資源を作る(セロトニン、GABABDNFなど)

4.別の結果があることを教える

(不安が引き起こす症状と運動がもたらす症状は
似ているので「すり替え」が可能)

5.回路を作り変える
(運動で交感神経系が刺激されると
扁桃体の暴走を止め、別の回路で伝達されるようになる)

6.立ち直りが早くなる
(運動を通じて自己把握を取得し、
うつ病に対して協力な予防策となる)

7.自由になれる
(身動きができなくなると不安は増すが、
運動することでそれを打ち破ることができる)

・不安障害の人にとって、
運動と薬のどちらかを選ぶべきとは考えていない。

あくまで処方の選択肢であり、
両方を組み合わせることで
「薬による即効性の安心感」と
「運動による不安の根幹部分の改善」の

Wのアプローチが期待できる。

5【うつ 気分をよくする】

・うつが克服されにくいのは、
症状があまりに多様で、
また人生のつながりやニューロンのつながりが
蝕まれていることからである。
運動は、そうしたつながりを元どおりにする

運動をすると「エンドルフィン」という
モルヒネのような物質で脳が満たされ、
そのことを「ランナーズハイ」
と表現された。

この状態は、気分が良くなるだけでなく、
自分を肯定的に捉えられるようになる。

抗うつ剤のSSRIは副作用のリスクがある

子どもや若者の自殺願望を高める恐れがあり、
またこのグループの薬には依存性が高いものがあり、
やめるのが難しいという問題もある。

・運動はエンドルフィンを増やすだけでなく、
抗うつ剤のターゲットとなる神経伝達物質の
調整にも役立つ。
また、運動はドーパミンも放出させ、
気持ちを前向きにし、幸福感を高め、
注意システムを活性化
させる。

・うつは、本質的には
何に対しても動こうとしない状況である。

運動は、この否定的な信号を反転させ、
脳を騙して冬眠から目覚めさせる。
体が動き出したら、脳も動かざるを得なくなるので、
最初はゆっくりと始めて積み重ねていくことが
重要である。

6【注意欠陥障害 注意散漫から脱け出す】

・注意欠陥障害 (ADHD)の人は、
極端な集中力を保つため「注意変動障害」と
考えた方がわかりやすい。

運動によってADHDの症状が
緩和されるのは、ドーパミンと
ノルアドレナリンが増えるため
だといえる。

運動をすると扁桃体の調整を助けるため、
ADHDの患者に見られる「キレやすい傾向」を
抑えることができる。
また、運動で前頭前野の皮質量が増えることにより、
作動記憶が改善し、
ADHDの治療に役立つと考えられる。

ADHDの治療法の一つに
「きわめて厳しい組織にはめ込むこと」がある。
例えば、
8歳から12歳までのADHDの少年のうち、
週二回武術の稽古に通っている子どもは、
有酸素運動をしている子どもに比べて
行動と成績でいくつもの項目で大きく改善した。
「特有の型に決まった動き」は、
運動システムと注意システムの両方が総動員され、
脳の幅広い部位を活性化させる。

そのことにより、
ADHDの場合は、武術や体操のように
複雑で集中力が求められるスポーツをおすすめする。

7【依存症 セルフコントロールのしくみを再生する】

依存症の原因となるもの(薬物など)は
快楽中枢と呼ばれる「側坐核」のドーパミンを増加させる

他の刺激をはるか後方へ押しやり、
薬物をやめたあとも強い体験が脳に残るため
再発しやすいと考えられている。

・たとえ10分の運動でもアルコールへの
渇望を抑える力
がある。

喫煙への依存は、激しい運動5分でも効果がある。

依存症の人は、週に5日、
30分のハードな有酸素運動が望ましい

依存を断とうとしても、
その空虚な気持ちや、
不安や絶望から諦めてしまう人も多いが、
運動は前向きなことに目を向けさせ、
心を埋めてくれる。

8【ホルモンの変化 女性の脳に及ぼす影響】

PMSや産後のうつ、
重い更年期障害になる人とならない人の違いは、
ホルモンの変化が招く「神経化学的な変化に対する感受性」
に起因する

例えば、月経前不快気分障害の
症状がある女性の脳は、
トリプトファンを前頭前野に
うまく取り組むことができず、
そのせいでセロトニンの生産が
抑えられている
ことがわかった。

女性は、少なくとも週に4日、
戸外に出て速足で歩いたりジョギングや
テニスをしたりすると良い

骨粗鬆症予防には週に
2
筋力トレーニングを合わせてするもの大切。

また、PMSに悩まされている人は
週に5日有酸素運動をすることに加えて、
そのうちの2日(連続ではない)は
全力疾走のような激しい運動を組み込むと良い。
また、妊娠中や産後もできれば運動を
することをおすすめする。
女性の体が変化しても、
運動は心を強くしてくれるためだ。

9【加齢 賢く老いる】

体に悪いことは、脳にも悪い

「心疾患や糖尿病のリスク要因」は、
老化に伴う「神経変性障害のリスク要因」
にもなるということだ。

・脳の老化を防ぐ運動の効果に関する
研究結果において、
記憶力テストと知能テストを行ったところ
「運動していたグループは、
老後に知能が衰える確率が低い」とでた。

このことにより、
運動は老化の進行を阻むことのできる方法といえる。

運動をすることで、
脳の回路が結合を増やし成長するきっかけを与える

・賢く老いるためには、運動が重要である。

以下の「9つの項目」の理由で、
運動が健康を支えてくれている。

1.新血管系を強くする

2.燃料(グルコース)を調整する

3.肥満を防ぐ

4.ストレスの閾値をあげる

5.気分を明るくする

6.免疫系を強化する

7.骨を強くする

8.意欲を高める
(運動はドーパミンの減少を予防する)

9.ニューロンの可塑性を高める
(運動は脳の成長に関与する栄養因子が供給される)

10【鍛錬 脳を作る】

運動は脳の機能を最善にする、
唯一にして最強の手段である

・「脳のためにどのくらい運動すれば良いのか」
という問いに「まずは健康になることを目指し、
自分への挑戦を続けることが大切」
と答える。

脳のために運動することは、
他の病気から守り、
健康になることと同じであり
「体と脳は繋がっている」という認識で、
両方大切にすると良い。

・理想は
週に
6日、なんらかの有酸素運動を
45分から1時間」
「そのうちの
4日は中強度(ジョギング)で長め、
残りの
2日は高強度(ランニング)で短め」
「高強度は
2日連続でしない」

・運動でよりよい脳を作る最善の戦略は、
やり通すこと、大勢でやること、柔軟性を保つこと
である。

心を柔軟に保ちながら、順応し、
挑戦し続けることが大切である。

 

 

 

 

 

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