漢方薬の組み合わせによっては PTSDに対して効果があるものが知られています。
精神科医の間では有名な神田橋処方と呼ばれているものです。
神田橋條治医師が臨床経験を通して導き出した処方です。
精神科的な症状(特にトラウマや身体症状を伴ううつ、不安)
に対して「心」と「身体」の両面に作用することを重視
した処方です。
この処方は、以下の2つの漢方薬を同時に服用することが基本とされています。
71番 四物湯(しもつとう):当帰、芍薬、地黄、川芎の4つの生薬から構成され、
血を補い、血行を改善する効果があります。
60番 桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう):桂皮、芍薬、甘草、生姜、大棗
からなり、筋肉の緊張を緩和し、内臓を温める作用があります。
即効性があるケースも報告されており、急なパニック発作や不安発作時の「頓服」として使われることもあります。
不眠、過敏、身体の緊張、冷え、不安感など「トラウマ後の反応」に対し効果を示すことが多い とされています。
「神経過敏」や「HSP気質」と言われるような人にも向いていることがあります。
神田橋処方は、東洋医学の理論でいうと「血虚」+「気滞」や「寒」に対処するものと解釈できます。
71番 四物湯(しもつとう):血を補い、血行を促進 → 鬱滞を改善
60番 桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう):筋肉や内臓の緊張を和らげる → 体の防衛反応(過敏)を緩める
これらを合わせることで、心身が「緊張→弛緩」へと向かうよう調整され、過覚醒状態が緩和されるのです。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)
パニック障害や社交不安障害
強迫性障害(OCD)の一部
解離症状
HSP(Highly Sensitive Person)の過敏な反応
自律神経失調、慢性疲労
1. 54番 抑肝散(よくかんさん)
対象症状:怒りっぽい、不安、不眠、イライラ、神経過敏、幻聴、過敏な反応
特徴:「肝気の亢進」を抑える。自律神経の安定にも。
よく使われるケース:発達障害、認知症の興奮、不安症など
2. 24番 加味逍遙散(かみしょうようさん)
対象症状:情緒不安定、うつ傾向、月経不順、ストレスによる体調不良
特徴:気の巡りを良くし、血を養う。特に女性のストレス体質に向く。
よく使われるケース:PMS、更年期うつ、過去の性的トラウマによる情緒の乱れなど
3. 12番 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
対象症状:過緊張、不安、不眠、焦燥感、恐怖心
特徴:自律神経のバランスをとり、精神安定に寄与
よく使われるケース:パニック障害、PTSD、慢性不安
4. 65番 帰脾湯(きひとう)
対象症状:不安感、健忘、動悸、疲れやすさ、胃腸虚弱
特徴:心と脾(思考と消化)を補い、精神疲労を回復
よく使われるケース:長期ストレスによる心身の虚弱、虚無感、心因性の胃腸障害
5. 26番 桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかしゅうこつぼれいとう)
対象症状:過剰な緊張、不眠、性的不安、夢精、恐怖感
特徴:神経過敏な人の「体の芯の緊張」を緩める
よく使われるケース:トラウマ由来の過緊張・不眠・性的トラウマ
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